― 都市、街、建築、生活におけるデザインの可能性を探求し、未来への展望を描く―
AXISのデザイン探求
新たな軸
株式会社アクシスは「生活と社会への創造力。」をフィロソフィーとして掲げ、デザインで生活や社会の質を高めていくさまざまな活動を行ってきました。そしてこれからは、培ってきた知見、ノウハウ、ネットワークを最大限に活かしながら、「デザインの力で、企業や社会の課題を解決する組織」へと進化させていきたいと考えています。

そこで、新たなイシューとして掲げたのが「City / Architecture / Lifestyle ×Design = ? 都市、街、建築、生活におけるデザインの可能性を探求し、未来への展望を描く」ことです。
建築デザイン、インテリアデザイン、プロダクトデザイン、ビジュアルデザイン、プランディングデザインなど、実践的な「デザインの力 」は多岐にわたります。その一つひとつには先人の知恵や技術が詰まっており、それぞれジャンルとして確立しています。これからのAXISは、視点をもう少し大きなCity(都市 ・ 街)、Architecture(建築)と、そこにおける Lifestyle(生活)に置くことで、個々のデザインジャンルではできなかったデザインの提案をしていきたい。
都市づくり、まちづくりの視点から考えるからこそできる建築やデザインの提案、あるいはサービスがあるはずです。個々のデザインの集積としての未来ではなく、リアルな生活のなかにある動的な関係性のなかから、より総合的なパースペクティブをもった未来を創造していきたいと考えています。

今、デザインに求められるもの
これまでのデザインは、ポスターやシンボルマーク、個々の製品のスタイリングやカラーリングなどに象徴されるように、美しい形や色彩を創造することで生活を彩り、豊かにしてきました。 もちろんそこには、情報のスムーズな伝達や使いやすさという、デザインの機能的な側面も欠かせません。しかし情報化社会の進展や環境問題の深刻化のなかで私たちの生活の理想や未来の目標が見えにくくなると共に、生活や社会を支えるインフラストラクチーとしてのデザインの考え方も変わりつつあります。
これからのデザインには、個々の生活を豊かにするだけではなく、企業や社会の課題解決や、それらを通してより良い未来を創る役割が期待されるようになっています。思考、プロセス、コミュニケーション、サービスに至る幅広い領域をカバーし、常に新しい価値を創り出していくことがデザインに求められるようになり、「デザイン」 という言葉の意味や内容も日々アップデートを続けています。
AXISの提供価値
私たち AXISは、メディア事業の特徴である国内外の最新の情報を収集・ 編集し発信する力、そして直営店運営 のリテール事業で培われたエンドユーザーの嗜好やライフスタイルの動向をキャッチする力、つまり世の中を俯諏して捉える「鳥の目」と、現代を生きる人たちの繊細な動向を捉える「虫の目」をもつことで、さまざまな社会課題に対して的確なソリューションを提供できると考えています。
メディア事業とリテール事業の蓄積を生かしつつ、現在は第3の柱として、デザインコンサルティングおよびデザインプロデュース事業を本格的に始動させています。とくにイシューに掲げた「都市」「街」「建築」「生活」 にかかわる領域では、建物の老朽化や不活性化を改善し、地 域や街の賑わいを取り戻したいなど、 切実な課題が山積しています。AXISでは、国内外のクリエイター、エンジニア、研究者などとタッグを組みながら、調査分析からコンセプトメイキング、戦略構築、各種デザイン、プロデュース、具現化、 効果検証まで、ワンストップで推進する体制を整えています。
AXISには、机上の計画で終わらせるのではなく、それを具現化できる強みがあります。私たちの活動に共感いただける企業や自治体と手を携えて取り組みながら解決策を見出し、社会へ発信し続ける。広い意味での「デザイン」が普及することで、より良い社会づくりの一助になればと考えています。

AXISのアプローチ
「Big D」と「Small d」とをあわせもつ視点
AXISでは、デザインコンサルティングおよびクリエイティブディレクションを行っています。プロジェクトでは、まずデザインリサーチから始め、現状や問題点を把握したうえで計画を立案し、具体的なデザインヘと進めます。もちろんデザインが軸となりますが、私たちが大きな目標としているのは、デザインを通して社会的・文化的な価値を創造することです。

そこで重要なのは、「Small d」と呼ばれる個々のデザインの質の追求だけではなく、もう少し視線を上げて、プロジェクト全体を、その周辺の状況や環境も含めて俯諏できる「鳥の目」をもつことです。いわゆる「Big D」の視点ですね。私たちは、その企業や地域が根ざしている「文化的視点」や、過去を継承しながら未来へとつないでいく「未来的視点」を調査分析して「Big D」を描き、それをしっかりと「具現化」していく、総合的なデザインの実践を目指しています。
情報化社会の進展や環境問題の深刻化のなかで、柔軟性のある開かれた組織づくりやサステナブルな運営の仕組みなど、組織のあり方や運営方法にも大きな変革が求められています。「Big D」の視点は、組織やその仕組みにも積極的にアプローチしていきます。個々のデザインの完成度を高めると共に、その背景も包括的に捉えたうえで、ハードもソフトもトータルに考える視点をもつこと。「Big D」と「Small d」をあわせもつ視点が、私たちAXIS のアプローチの大きな特色だと考えています。かにしてきました。もちろんそこには、情報のスムーズな伝達や使いやすさという、デザインの機能的な側面も欠かせません。しかし情報化社会の進展や環境問題の深刻化のなかで私たちの生活の理想や未来の目標が見えにくくなると共に、生活や社会を支えるインフラストラクチャーとしてのデザインの考え方も変わりつつあります。

「体験(Experience)」という価値を創る
私たちがデザインの可能性として重視しているのは、使う人たちの「体験」をいかに豊かにできるのかという視点です。プロジェクトのスタートでは、なぜこのプロジェクトが必要か?という原点の確認と共に、誰に、どのような体験を届けるのかというコンセプトの構築に力を注ぎます。
その際には、有識者へのヒアリングなどのリサーチも積極的に行います。考えるべき与件は多岐に及ぴますから、リサーチもなるべく領域を狭めないで、広くゆるやかに、より多くの方々のご意見をうかがうようにしています。もちろんリサーチには時間も費用もかかりますが、私たちはそのプロセスが、クライアントとコンセプトを共有するためにも有効だと感じていますし、だからこそ新しい発想を生み出すことができると考えています。 美しく機能的なデザインを実現する「Small d」を、ユーザーにつないでいくのが「体験」のデザイン(Experience Design)です。大切なのはユーザーの感性に響くこと。その場所や施設ならではの力や文化、歴史、価値観が感じられるストーリーこそが、ユーザーの新しい「体験」を開いていく。狭い意味での機能性だけではなく、エンジニアリング、アート、サイエンスなど多彩な領域を統合しながら、常に仮説を立て、繰り返し検証していくことで、感性に響くデザインを実現していきたいですね。

メディアを軸としたデザインの展開
私たちの軸となるスキルはデザインコンサルティング ですが、プロジェクトの「なぜ(Why)」「何を(What)」「どのように(How)」を精査していくと、クライアントの組織のあり方やその目指すもの、プロジェクトのその後の運営の仕方などが課題となるケースもあります。そこを契機に、母体 となる企業の組織づくりやアイデンテイティづくりにも積極的にかかわりながら、プランディングを始めとする新た なソフトやハードの提案へと、トータルなコンサルティングを展開できるのが、私たちの強みだと考えています。
そのベースとなっているのは、AXISの誕生と共に創刊され、以来40年以上続くデザイン誌『AXIS」を中心と したAXISメディアです。現在ではWebも活用しながら、デザインを取り巻く国内外の最新の情報を継続的に収集•発信し続けています。私たちはそこに菩積された膨大な知見と、世界につながるネットワークを駆使することで、建築やインテリアを含む空間デザインから、ブランディング、サービスデザイン、コミュニケーションデザイン、まちづくりに至るまで、幅広いフィールドに対応しています。

〈WORKS〉 AXIS CAPABILITY BOOK 01 [case study] ミュージアムタワー京橋 https://design.axisinc.co.jp/works/1518/ |