中央日本土地建物グループは、日本土地建物と中央不動産が2020年4月に経営統合して誕生した総合不動産企業です。電通のプロデュースとディレクションのもと、一連のコーポレート・ブランディングのデザイン・制作を担当させていただきました。
コーポレートブランディングの基礎となるグループスローガン、グループステートメント
プロジェクトがスタートしたのは、経営統合を前にした2019年。
ブランディングでは、まずブランドコンセプトを明確にすることが重要です。経営層へのインタビューや資料の分析、日本土地建物と中央不動産のプロジェクトチームとのディスカッションを行うなかから、「共創」というコンセプトが導き出されました。
この「共創」をテーマに、電通とともにグループスローガンとグループステートメントを開発しました。グループスローガンは「未来を共創する。」というまっすぐで強い言葉。その意味を解き明かし、イメージをふくらませるために、グループステートメントをつくりました。
これらのメッセージは、その後のコーポレート・ブランディングの幹となっていきます。
いくつもの意味を象徴するシンボルマーク
40ほどの案のなかから選ばれたロゴのデザインも、やはり「共創」をモチーフにしています。
シンボルマーク(藍色の部分)は中央〔Chuo〕と日本土地建物〔Nittochi〕の頭文字を組み合わせたもの。CとNを組み合わせることで、「未来を共創する」企業姿勢を表しました。また、CとNの形状は土地と建物を象徴するとともに、右肩上がりに未来を拓いていく姿も表現しています。
ロゴとメッセージを訴求する新聞広告
中央日本土地建物グループが誕生した2020年4月と、翌2021年の1月、4月には新聞広告を展開しました。特徴的なロゴと、グループスローガン、グループステートメントを中心に据えた広告です。
青いグラフィックは中央日本土地建物グループのさまざまなビルによってつくり出した街並みです。2021年4月の広告には桜の花びらを散らし、ちょっとした遊び心をくわえました。
ブランドイメージを豊かに広げる映像
ブランドショットは、中央日本土地建物グループのさまざまな動画の最後を締め、ブランドイメージを印象づけるための短い映像です。アニメーションは、映像作家の森野和馬さんにお願いしました。未来を描き、創り上げていく様を、短い時間の中に封じ込めています。
ブランドムービーは、グループステートメントの言葉をなぞるかたちでアニメーション化した映像です。やわらかく、温かいタッチはやはり森野和馬さんによるもの。テキストだったグループステートメントが、アニメーションとナレーション、音楽によって、体温のある豊かなイメージに広がりました。
中央日本土地建物グループのコーポレート・ブランディングのコミュニケーションはグループスローガン、グループステートメント、ロゴを中心に展開しています。それらから広告や映像へとイメージを広げていくことで、一貫性と豊かなイメージを両立させています。広げるブランディングのひとつの形と言えるでしょう。